トップページ > 食と健康講座5 心も元気にする食事ストレスを癒やす食事。
トリプトファンでイライラ解消
ストレスの多い現代社会ですが、イライラが続くと自律神経やホルモンのアンバランスを招き、免疫力の低下などにもつながります。しかしこのストレスも、食べ物によってある程度改善できることが分かってきています。
その代表的な食材としてあげられるのが、くるみやゴマなど種実類や、牛乳、大豆製品、はちみつ、しらす干しなど。これらの食材に含まれているトリプトファンという成分に、ストレスを癒やす効果があるのです。
トリプトファンとは、体内で合成することのできない必須アミノ酸の一種で、体内に吸収され脳に運ばれるとセロトニンという物質に変わります。このセロトニンには精神を安定・リラックスさせる働きがあるので、不眠やうつ病の改善に効果的だといわれています。逆にセロトニ唐ェ減少すると、ちょっとしたことでも精神的に不安定になってうつ状態になりやすく、ストレスにも弱くなったりするため、活力の低下につながってしまう恐れがあります。アメリカなどでは、トリプトファンが、精神安定、不眠解消を目的としたサプリメントになっています。ただし、摂りすぎは肝臓に悪影響を与えることがあるので注意が必要。食品から摂る分には、全く問題ありません。料理に加えたり、牛乳や豆乳、はちみつなどは、手軽なドリンクでとるのもおすすめです。
また、貝類に含まれる「タウリン」には、肝機能を高めるほかに、交感神経を静めてくれる作用があったり、ミントなどのハーブ類は快感ホルモンを分泌させ、不快なストレス反応を解消してくれる効果があるので、これらの食材も上手に取り入れていくとよいでしょう。
昔から「しっかり食べて、しばらく休めばすぐ元気になる」といわれますが、現代社会においても、貴重なアドバイスになっているようです。
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順天堂大学大学院研究科加齢制御医学講座教授。ヘルシーフードライフでは、食による予防医学の第一人者、順天堂大学教授の白澤卓二先生を中心として、健康な食にまつわる様々な方の体験、実践をご紹介し、皆様が身体の内側から健康に、美しく、若く、改善することをサポートしていきます。